※ 各施設の情報は刊行当時のものです。
I●南アメリカ
〇パラグアイ
108 アスンシオン動植物園(Jardin Botanico y Zoologico)
- アスンシオン
- 市内より10分ほど
- パラグアイ唯一の植物施設で、南米原産の熱帯花木のコレクションに優れている。園内には動物標本館、民族博物館が併設されているので、一緒に見学するとよい。アスンシオン市内のマーケットも、種類が多く楽しい。薬草市もある。
〇ブラジル
109 カンポス・ド・ジョルダン森林公園(Campos do Jordão)
- サンパウロ
- 市内から車で約1時間30分
- 植物ファンなら、サンパウロに来たらぜひここまで足をのばしたい。標高1,700~2,000mにある広大な自然公園。南米の熱帯高地の典型的な風景を身近に感じられる貴重なエリアとなっている。植生としてはブラジルマンを主体とした雲霧林で、樹木にはコケ類が厚く付着し、着生したランやブロメリアの仲間などが多く見られる。中心部には林業試験場の育苗施設がある。マスの養魚場などもあって子供たちも楽しめる。
110 サンパウロ植物園(Jardim Botanico de Sao Paulo)
- サンパウロ
- 市内からタクシーで15分
8:00~17:00- 1938年創立で、市内からほど近い市民に愛される植物園。園内に大きな植物博物館があり、特にブラジル産の固有植物の乾燥標本や種子の標本をたくさん展示している。園内は137haと広く収集内容が充実している。研究圃場などもあり約半分が公開されている。ここではタベブイアやティボウキナ、ラン、サトイモ科植物、パイナップル科植物などのコレクションが有名。保護植物としては、ブラジル特産の植物に力をそそいでいる。コレクション数はおよそ7,000種。池のそばのタビビトノキは巨大。よく目につく植物としては、園の象徴として50~60mに育っているダイオウヤシ、ホウガンボク、南米に多いクルシアなどがある。園内にはまた、農商務局所轄の州立の植物研究所があって、所蔵標本約26万点。またここでは植物図書の販売や植物相談などに応じてくれる。
(年間降雨量 166mm)111 サンパウロ・セアザ(花マーケット)
- サンパウロ市内
- 正式名称はセアザ食料配給センター。サンパウロ最大規模の生鮮食料品を中心にしたマーケットで、たくさんの花や植木売り場がひしめいている。出店者には日系人が多く、日本産のキキョウやハナショウブなども見られる。なんでも、まじめで神経が細やかな日系人の気質が花ビジネスに向くからだという。全体的にはブラジル産の花木が目立つ。ブーゲンヴィレアは原種に近いものからさまざまな系統が無造作に置かれている。ときに、変わったヤシの果実や野生の球根類などが何気なく売られていて、見ているだけで楽しい。
112 オープンマーケット(Ver O Peso)
- ベレン
- ベレン河岸の給着場で開かれるマーケットで、日用品、食料品から植物まであらゆるものを売っている。ある季節しか出回らない果実、香辛料、薬草などが手に入る。
113 エミリオ・ゲールジ博物館(Museu Paraense Emilio Goeldi)
- ベレン
- 7:30~11:30、13:30~18:00
(休)土、月曜日- 1866年創設。4万点余りの植物、果実、木材標本があり、アマゾニア博物調査研究所、図書館、植物園、動物園などを併設している。人類考古学部門の資料が多く、動物標本も10万点と力が入っている。博物館周辺の植栽も種数が豊富でおよそ2,000種あり、ほとんどに学名の入ったラベルが付いていて、この地方の植物をまとめて観察できるようになっている。目立つ植物としては、水族館前にあって、45mもあろうか大きな板根をもつワタノキ、バクの柵近くにあるホウガンボク、そしてムクロジ科のアマゾン植物として有名なガラナの品種など。他にない 貴重なコレクションとしては、アマゾンの自生植物標本(J.HuberとA.Duckeによる多くのタイプ植物標本を含む)がある。
114 ポルトアレグレ植物園(Jardim Botanico de Porto Alegre)
- ポルトアレグレ市郊外
- 1958年創設で、ブラジル最南部にある植物園。ブラジルの亜熱帯系や乾燥地系、それに南の植物の宝庫と呼ばれているサンタカタリーナ州自生の植物などがコレクションされている。この施設の中心は動植物自然科学博物館。特に植物分類研究が盛んで、標本室や資料室が充実しており、それぞれの分野で若いボタニストが活躍している。目的をもった来園者には実によく応対してくれる。
(海抜 47m)115 リオ・デ・ジャネイロ植物園(Jardim Botanico do Rio de Janeiro)
- リオ・デ・ジャネイロ市
- 8:00~17:00
(休)カーニバル
R$ 1,25- 1808年に創立。伝統ある南米で最も有名な植物園。園内の背後の山腹に広大な自然林をもつ。正面玄関のダイオウヤシの見事な列植は世界的に有名。このヤシは正式にはキャベツダイオウヤシ(Oreodoxa oleracea)といい、樹令170年、平均樹高30m、総数約150本ほどあって壮観である。また、中庭のキャノンボールの並木も見逃せない。園内の樹木はかなりの古木が多く、樹冠が折り重なっている。その他サボテンや多肉植物、ラン、パイナップル、サトイモの仲間、そして食虫植物や薬用植物などのコレクションに優れている。総面積54haの広大な敷地におよそ7,000種がある。玄関横に、古くに日本から導入されたビロウの大木がある。
(年間降雨量 2,000mm)
〇ベネズエラ
116 カラカス植物園(Jardin Botanico de la Universidad Central)
- カラカス市中心部
- 8:00~18:00
- カラカス市の中心にあり、ベネズエラ広場に面している。正門を入ると、細い流れに沿って雄大なワシントンヤシの並木が続く。広い園内には南米の熱帯植物が豊富で、年中花が絶えない。中でもサトイモ科、パイナップル科、サボテン科の植物、ヤシ類などがよく集められている。
(年間降雨量 810mm)
坂嵜信之 編著
尾崎 章・香月茂樹・清水秀男・橋本梧郎・花城良廣・毛藤圀彦 共著
B5判 / 上製 / 1,224頁 / 定価64,900円(本体59,000+税)/ ISBN4-900358-44-4
〔花の美術館〕カテゴリリンク