※ 各施設の情報は刊行当時のものです。
C●オーストラリア
〇オーストラリア
056 アデレード植物園(Adelaide Botanic Gardens)
- アデレード
- Frome Rd. North Terrace Adelaide SA 5000
月~金 8:00~日没 土・日 9:00~19:00、温室10:00~12:00、13:00~16:00
無休
無料- 1855年開園。1865年には国の重要な花卉園芸センターとしての役割を果たすに至った。ノーステラスの東の外れ、イーストテラスのぶつかるあたりにある。41haの園内には、約4,500種の植物がそろっている。特に、サボテンや多肉植物など乾燥や塩分に耐える植物群、ラン科そしてヤシ、スイレン科などの自生植物のコレクションが優れている。その他にはアカシア90種、ユーカリ120種、ハケア33種、グレヴィレア26種と原産の多くの種類のほか、イリス、ハーブ、バラの特別区画がある。古い大きな温室にはオーストラリアの熱帯降雨林の植物たちがたくさん収集されている。ガイドツアーが火曜日10:30に園の中央にあるSimpson Kioskから出発している。
(年間降雨量 531mm)057 キャンベラ自然植物園(Australian National Botanic Gardens)
- キャンベラ市
- Clunies Rosss St., Black Moutain, Canberra
キャンベラシティーセンター近く
9:00~17:00 夏には時間延長- 1967年創立。国立大学があるブラック山山麓に位置する。自然植物、特にオーストラリアの固有種の収集と展示に力を入れている。約90,000種、5,000品種が集められている。90haの園内に野生植物散策路もある。また植物情報センターがあって標本室やライブラリが公開されている。ここでは案内の係員が来園者の質問にていねいに応えてくれる。園内のバンクシアやテロペアのコレクションは必見。ススキノキや木性シダの植栽区やロッケリーもなかなかよい。絶滅に瀕している植物の保護も行っている。ガイドツアーは平日11:00、週末14:00にビジターインフォメーションセンターを出発。
(年間降雨量 664mm)058 タウンズビル植物園(Townsville Botanic Garden)
- クイーンズランド州/タウンズビル
- 市内より車で約10分
無料- 1969年の創立で、市営の植物園。入口にはレインツリー(サマネア・サマン)の巨木が枝を広げて木陰をつくっている。園内には芝生が敷詰められ、その中に点々と見本樹が植えてある。日がよく当たるので、そのどれもが充分に生長し花をつけている。代表的なものにヤシやタコノキ科のコレクションがある。一角に多湿植物の部屋があり、主にオーストラリア熱帯湿潤気候産の植物が植えられている。その他には乾燥地や降雨林内の絶滅の危機に瀕している植物の保護も行っている。またオーストラリア庭園協会やハーブ園協会出典の展示コーナーやパイナップル科植物など特別な区画もあり、コレクション数はおよそ600種。
(年間降雨量 1,128mm)059 フレッカー植物園(Flecker Botanic Gardens)
- ケアンズ
- Collins Av, Edge Hill, Cairns
月~金 7:30~16:15/土・日 9:30~17:30- 1886年開園。38haの園内にはオーストラリア特産植物(特に北部クイーンズランドの降雨林地区産)を中心に、ヤシ、ランそして広く観賞用植物や果樹などのコレクションがある。それに自生のシダ植物や稀種など、約5,000種が集められている。固有植物区、モデル庭園、有用植物区などの植栽ボーダーがある。
(年間降雨量 2,184mm)060 シドニー植物園(Royal Botanic Gardens, Sydney〔National Herbarium of South Wales〕)
- シドニー
- Mrs Macquaries Road Sydney NSW 2000
最寄り駅はMartin Place駅、平日のみWynard駅から888バスが30分毎にでている。
7:00~日没
無休
入園は無料、トロピカルセンターは大人5ドル- 林立するビル街と境を接しているが、前面には青い海を望み、景色はよい。創設は1816年。地元オーストラリア各地から集められた植物は7,000種ともいう。ボトルツリーやリュウケツジュなどを訪ね歩くのも楽しい。その他にもラン、フトモモ、ヤシ、サボテン、ソテツ、パイナップル、ヤマモガシ科の自生種、マメ科やバラ科に属する特産種などのコレクションが有名。30haの園内はトロピカルセンター、ハーブガーデン、ローズ・ガーデン、シダ園ヤシ園等に分かれ、ランドスケープを勉強する方は必見。National Herbarium of South Walesはこの園内に位置している。木陰のベンチに座ってゆったりとした一時を過ごすのもよい。珍しい鳥の姿も見かける。無料のガイドツアーが毎日10:30にビジターセンターを出発。
(年間降雨量 1,231mm)061 ダーウィン植物園(Darwin Botanic Gardens)
- ダーウィン市
- Geranium St., Fannie Bay, Darwin
- 1886年に創設。41haの敷地に園芸品種を含め約7,300種の植物を展示している。特別区としては降雨林区がある。主なコレクションにサトイモ科、ラン科、ブロメリアの仲間や経済植物がみられ、数多くの自生植物が保存されている。他には自然保護区が5haあって、来園者には図書室や相談所が開設されている。
(海抜0~200m、年間降雨量 1,813mm)062 キングスパーク植物園(Kings Park and Botanic Garden)
- パース市
- Fraser Ave. Kings Park, West Perth WA 6005
入場自由(温室は火曜日を除く10:00~16:00)- パース市を一望に見下ろす丘の上にある。400haのキングスパークのうち植物園は58ha、創立は1962年。入口から奥に向かって巨大なユーカリの並木が続く。多肉植物園が充実していて、中でもアロエのコレクションは有名。地元産のバンクシア、グレビレア、カンガルーポーなど 多数あり、自然の植生も残る。主に西オーストラリア固有の植物のコレクションに優れている。また、メトロポリタンガーデン、アロマティック・フレグランスガーデンなどもある。コレクション数はおよそ3,700種。春には地元産の野草や花木を集めた展示会なども開かれる。 絶滅の危機に瀕した種の保護も行っている。珍しいものと絶滅の危機に瀕したものを保存する種苗園は一般非公開。
(年間降雨量 871mm)063 ブリスベン市立植物園(Brisbane Botanic Gardens〔City Botanic Gardens〕)
- ブリスベン市
- Alice St Brisbane QLD 4000
ブリスベン市内の川沿いにある
6:30~日没(温室は13:00~16:00)- 1855年の創立で、国の野菜試験場の跡地につくった市営の植物園。ジャカランダ、シノブノキ、アフリカンチューリップが咲き競う街の中にある。園内の樹々は造園的にも美しく配殖されている。特にリュウケツジュ、インドゴム、アローカリア、ダイオウヤシが大きく育っている。多肉植物、パイナップル、ヤシの仲間や熱帯花木のコレクションも優れている。この園の奥には桟橋がつくられており、自然のマングローブを上手にみせてくれる。20haの園内のコレクションの数はおよそ12,000種。
(年間降雨量 1,060mm)064 メルボルン植物園(Royal Botanic Gardens, Melbourne)
- メルボルン
- Birdwood Avenue South Yarra VIC 3141
7:30~17:30
無料- 創設は植民地として10年目の1845年。1857年にはここに国立標本館がつくられた。36haの広大な面積を誇り、日本をふくめ世界各地の植物51,000種を所有している。注目すべきは原産のユーカリ、バンクシア、メラレウカ、カリステモンなどの花木類であろう。その他には、オーストラリアの熱帯雨林の植物やシャクナゲ(マレーシアシャクナゲも含む)、カメリア、多肉、パイナップル、ユリ科、ラン科に所属する特産種などのコレクションが有名。この園は美しくデザインされていて、造園面と植物学的面とがうまく調和している。園内には立派な標本館もあるので、専門的な研究にも大変参考になる。火~木曜日の11時と14時にガイドツアーに参加できる。
(年間降雨量 660mm)065 ノーフォーク島植物園(Norfolk Island Botanic Garden)
- ノーフォーク島(南太平洋)
- メインエントランスはミッションロードに面している
- 1986年に開設し、1988年の11月に一般公開された国営の植物園。465haの保護地区である自然公園内にあって、島特有の植物や経済植物の保護保全を目的としている。国内の植物にはラベルがしっかり付いている。
(海抜 150m、年間降雨量 1,313mm)
〇ニュージーランド
066 オークランド植物園(Auckland Botanic Gardens)
- オークランド
- 南自動車道をマヌレワで左折、ヒルロードを20分
9:00~日没
無料- 1982年、オークランド地方議会によって開園された。植物園の持つ快適な空間といった性格もさながら、文化的、知的そして娯楽的な面で、オークランドに多大な貢献をしている植物園である。ハーブ園、バラ園、ツバキ園、ニュージーランド特有の植物園などいくつものパートに 分かれている。4月~12月の第1日曜10:00から、ガイドツアーに参加できる。
(年間降雨量 1,500mm)067 クライストチャーチ植物園(Christchurch Botanic Gardens)
- クライストチャーチ
- 7:00~日没
- 1863年創立、古い歴史を持つ植物園で、園芸に主力が置かれている。エイボン川の流れに囲まれた園内は実に美しく管理され、草花や樹々が整然と配植されている。大小の池もあって庭園デザインの面でも学ぶ所が多い。植物としては、レプトスペルマムやプロテア、シャクナゲ、クレマチス、ニュージーランド産の植物、そして多肉や高冷地の草本や樹木の種類が豊富。しかもそのほとんどが驚くほど立派に育っている。その数およそ10,800種。またヨーロッパやアメリカなどで作出された熱帯系の樹々や低木の重要品種などを、まとめて写真撮影できる貴重な場所である。園芸植物愛好家や花好きの人が特に楽しめる美しい植物園だ。
(海抜7m、年間降雨量 660mm)068 オタリ植物園(Otari Open-Air Native Plant Museum)
- ニュージーランド北島/ウェリントン
- 日出~日没
- 1904年創設の植物園。丘陵の地形を生かしたロックガーデン風の植込みが見どころで、園の中心をなしている。この植物園の目的は、全てのニュージーランド産の植物を収集することと、その栽培技術を確立することにあるという。また、現地では少なくなった個体の保存と増殖にも力を入れている。植栽区としては、属ごとにコレクションを展示した植込みのコーナー、南半球の高冷地植物やシダ、針葉樹などのコーナー、そして珍しいものとしてはこの園に寄贈された植物のみを集めて展示している特別コーナーがある。敷地は80ha。日本でも最近見かけるようになったヘーベ類など、自生の植物がたくさん集められている。ニュージーランドの山地植物は北半球とは一味違ったものが多く、植物愛好家には見逃せない所だ。
(海抜 250m、年間降雨量 1,300mm)
坂嵜信之 編著
尾崎 章・香月茂樹・清水秀男・橋本梧郎・花城良廣・毛藤圀彦 共著
B5判 / 上製 / 1,224頁 / 定価64,900円(本体59,000+税)/ ISBN4-900358-44-4
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