落葉性の熱帯花木は寒さに強い
「熱帯花木」のうち、多くの種類は沖縄で生育できると考えられます。
熱帯性でも湿潤低地帯に原産する年間生長型の常緑種は別として、都合の悪いときに休眠をする落葉花木は乾燥や寒さへの抵抗性があります。沖縄では一般に11月から12月までに完全に落葉してしまう種類がそれです。たとえば、イペー、ワタノキ、コガネノウゼン、ジャカランダ、デイコ、トックリキワタなどの花木は、耐寒性が強く、冬期の低温によって休眠状態の頂芽に影響が及ばない限り顕著な被害を受けません。つまり、自生地や最適地のようには生育できず、葉や新芽に寒害を受けることがあっても、春の萌芽にはさほどの悪影響はなく、何とか生育、開花する種類が多いのです。
これら落葉性の「熱帯花木」は、無霜地帯またはそれに近い地帯(種子島、九州・四国の南沿岸部、紀伊、伊豆、房総など)でも冬期の厳しい北西風を避ける場所を選べば、生育可能な種類は多いと思われます。
以上のように、冬期の低温に対する熱帯植物の耐寒性の強弱には、単に温度だけではなく、遺伝的要因、植物体内の代謝活性、そして土や水分条件、光条件、風の条件などの多様な要素が絡んでいます。その評価は難しく、今後の調査研究が待たれます。
坂嵜信之 編著
尾崎 章・香月茂樹・清水秀男・橋本梧郎・花城良廣・毛藤圀彦 共著
B5判 / 上製 / 1,224頁 / 定価64,900円(本体59,000+税)/ ISBN4-900358-44-4
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