沖縄の県木、デイコも帰化植物
琉球王朝の昔から貿易の盛んだった沖縄には、たくさんの熱帯植物が渡来していました。沖縄の三大名花とされるデイコ(沖縄ではデイゴ)、オウコチョウやサンタンカ、屋敷林で有名なフクギ、芭蕉布をつくるリュウキュウバショウなどは、沖縄の自生種と思われがちですが、古い時代にもたらされて帰化し、定着したものです。
現在、沖縄で見られる熱帯性の植物の多くは戦前戦後に導入されて根付いたものです。移民した県出身者がハワイや中南米から持ち込んだもの、第二次世界大戦後の帰還兵が東南アジアから持ち帰ったもの、また、米軍統治下にあった時代に、米国人が持ち込んだ種類もあります。
本土復帰後には、熱帯園芸植物の開発、利用(都市緑化、果樹や花の生産)を目的としたプロジェクトも多く、積極的な調査活動などを通じて、組織的にさまざまな熱帯植物が導入されています。これらはまだ試験的な段階のものも多いのですが、将来の沖縄の花木を豊かにする先駆的なグループといえましょう。
坂嵜信之 編著
尾崎 章・香月茂樹・清水秀男・橋本梧郎・花城良廣・毛藤圀彦 共著
B5判 / 上製 / 1,224頁 / 定価64,900円(本体59,000+税)/ ISBN4-900358-44-4
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