Ⅱ 熱帯花木を育てる
ハイビスカス、ブーゲンヴィレアなどの熱帯花木は、条件が良ければ、一年じゅう開花して住まいの庭や都市の庭園・公園・街路などの空間を豊かに彩ってくれます。
ホウオウボク、レインツリー(モンキーポッド)、ビルマネムなどは大きな樹冠を広げて広場などに日陰をつくる植栽に最適です。花が密につくサンタンカ、ハリマツリ、ヒイラギトラノオなどは、刈り込みも自由にできるので庭植えや生け垣に向きます。また、コンテナガーデンの演出植物としても有望です。
マンゴー、フトモモ、カシュウなども、大きな植栽には役立ちます。ところが、液果がたくさんつく種類は、路を汚し、車がすべるなどの理由から街路樹や被陰樹(日陰樹)に使うのは問題があります。ガジュマルの仲間やカポックなども、根が大きく起伏する性質があり道路や建物を持ち上げてしまうので、樹種を選定する際には特に注意を要します。
ひとくちに花木といっても、新しく植えようとする種類を選ぶ場合は、あらかじめその植物の習性や生育環境条件を良く知っておくことが大切になります。
この章では、これから熱帯花木を植えようとする方々のために、計画に先立って知っておくと役立つ情報や、考慮しておいてほしい条件などをまとめてみます。
坂嵜信之 編著
尾崎 章・香月茂樹・清水秀男・橋本梧郎・花城良廣・毛藤圀彦 共著
B5判 / 上製 / 1,224頁 / 定価64,900円(本体59,000+税)/ ISBN4-900358-44-4
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