図譜解説:邑田 仁 (東京大学大学院理学系研究科附属植物園 教授)
著者ナサニエル・ウォリック (Nathaniel Wallich, 1786 - 1854)はデンマーク生まれの内科医、植物学者。コペンハーゲンで学ぶ。 1807年にベンガルのセランポール(スリランプル)に軍医として赴任し、当時カルカッタ植物園の監督であったロクスバラ(William Roxburgh, 1751 - 1815)と知り合い啓発される。1815年からカルカッタ植物園に勤め、 1817年から1846年まで監督。この間、インドのほかネパール、マレー半島、南アフリカなどで植物標本を収集した。最も主要なコレクションおよび基準標本はキューの標本室にあるが、重複標本は世界各地の研究機関に送られている。本書は当時未記載の東インド産植物300種を、ウォリックが監督してインドの画家に描かせた彩色図版および記載により発表したもので、図版はリトグラフ・手彩色である。序文には本書の出版に至る彼の活動の経緯が要約されている。
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