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第二十五話 オセアニアとアフリカ

各地に優れた植物園をもつオーストラリア

自然生態系を大切にするオーストラリアには、約12の植物園があり、大型のものには、ニューサウスウェールズ州に属するシドニー植物園、サウス・オーストラリア州の州立アデレード植物園、クイーンスランド州のブリスベーン(市立)植物園、ビクトリア州の州立メルボルン植物園(正式にはロイヤル・ボタニック・ガーデン)、ウェスタン・オーストラリア州パース市の州立ウェスタン・オーストラリア植物園がある。

シドニー植物園(Royal Botanic Gardens, Sydney)は、1816年の開園で、オーストラリアでは最も歴史が古い。シドニーの中心部からほど遠くない半島部の27万平方メートルの本園と、郊外の53万平方メートルの分園とで構成されている。

本園はオーストラリア最大の標本庫を中心に、オーストラリア植物誌編纂の大事業を遂行しており、B・G・ブリッグス(Briggs)副園長(研究担当)を中心に、多くの植物の学芸員を擁している。ここでは、学術研究のほかに、一般人への教育と普及活動も活発である。この点ではニューヨーク植物園と同じで、各部署でヴォランティアーの活動も伺われた。

園内にはよく整備されたバラ園、ヤシ林、新しいハーブガーデンがモールを中心に配置され、背景に市のビジネス・センターの高層ビルが見える。新しいシダ室の中には木生と草本性の珍しいシダが多く、モダンな温室内には熱帯樹種や蔓植物、ショウガ科、バショウ科がよく育っている。

分園には苗圃、増殖棟が完備していて、ほかに日本のオガルカヤに似たカンガルーグラスの育つ広大な丘があり、その周りにヤマモガシ科のテロペア属の立派なコレクションが見られた。

アデレード植物園(Botanic Gardens of Adelaide)は、1855年に16万平方メートルの敷地をもち、8,000種が植えられている。植物は主としてオーストラリア中西部のもので、ほかに球根類、多くのススキノキを含む半乾燥地植物、多肉植物、耐塩性植物が見られ、ロフティ山分園には温帯植物がある。ここのJ・P・ジェソップ(Jessop)主任研究官は、豊富なユリ科の生標本を利用して、『マレーシア植物誌』のユリ科の部分を執筆した。

ブリスベーン植物園も1855年の設立で、市内にあり、面積が19万平方メートルの小型の植物園だが、熱帯圏に近い地の利を生かして南太平洋地域のヤシ類の優秀なコレクションがあり、サトイモ科植物、オーストラリアの植物、さらに鑑賞用の園芸植物の数が極めて多い。

植物園は河口にほど遠くない地の利を生かして、マングローブ区を設け、ウォークボードからマングローブを十分に観察できる。

約百万点の腊葉標本をもつ国立腊葉館と一体のメルボルン植物園は、面積35万平方メートルの本園に、クランボルンとウェリビー公園分園を包括して、オーストラリア最大の植物研究所となっている。植栽してある植物は約2万種。オーストラリア産の植物区画のほかに、カシ属、ツバキ属、シャクナゲ属の植物区画があり、また、温帯であるから、日本や中国の園芸植物、とくにニシキウツギ、ヤブデマリ、シャリンバイなどの庭園花木がよく育てられている。

ウェスタン・オーストラリア植物園(Kings Park and Botanic Garden)は、面積445万平方メートルという広大な植物園で、パース市の中心部からスワン川を隔てた対岸の丘にある。1961年の開設で、現在なお充実中であるが、主としてユーカリ属やウェスタン・オーストラリアの野生植物を集めている。

ロックガーデン式のオタリ植物園

ニュージーランドでは、首都のウェリントン市に二つの植物園がある。ウェリントン(Wellington)植物園はオーソドックスな植物園で、南洋杉その他の裸子植物やノトファグスの植え込みの中に、エリカ園、テンニンカ科のコレクション、種々の花壇がある。かなりの部分が植生保存区となっていて、この国のフロラがうかがえる。北の端に比較的大形のバラ園と温室があり、中にカフェテリアもある。

もう一つは、オタリ・ネイティブ(Otari Native)植物園で、ここは1,200種にも及ぶニュージーランド産の野生植物を植えている。入口の近くはロックガーデン風に作り、草本や潅木が多い。イネ科植物とかカヤツリグサ科のネビキグサ属のものも相当ある。奥は密生した林になり、細い歩道がつけてあり、興味ある草本類が下植生として豊富に植え込んである。

南島のクライストチャーチには、1861年に開設された研究植物園があり、やはりお国柄を反映して山地性植物が上手に植えてある。

固有の珍種を集めるキルステンボッシュ

珍奇な植物の分布では、恐らく南アフリカが世界一であろう。石と区別のつきかねる擬態をしたツルナ科のリトプス、大小のアロエ、ヤマノイモ属の一種でゾウの足に似た形の塊根をつくるゾウノアシソウなど種々のものがあるが、コンブのようにのたうち回る二枚の幅の広い葉をつけたウェルウィッチアが何といっても最も奇怪な植物であろう。

南アフリカ共和国のステレンボッシュ(Stellenbosch)大学付属植物園にも、このウェルウィッチアが見られ、多肉性のツルナ科植物、アロエ類など、3,500種が1万6,000平方メートルの小さい敷地に植えられている。

このほかに、南アフリカ共和国には数個の植物園がある。そのなかに、アフリカで最大級のキルステンボッシュの南ア国立植物園(National Botanic Garden of South Africa)がある。ケープタウンの背後にあるテーブル・マウンテンに本園があり、カルー・ガーデン(Karoo Botanic Garden)、ハロルド・ポーター植物保護区、ダーリング・ケープ植物保存区を含めて、76万平方メートルの敷地がある。プロテア属、ペラルゴニウム属、ガーベラ属、アマリリス属、グラジオラス属などの約四千五百種の植物が見られる。1913年の開設で、環境省に属し、30万点の標本をもつ標本庫もある。

ケニアには、面積40万平方メートルのナイロビ樹木園・保存林とキクユにある面積641万平方メートルの森林研究所があり、アフリカ産の樹木のほか、熱帯アメリカや熱帯アジア産の樹木も植えて研究している。

マダガスカル島のタナナリブには、ツィンバササ植物園(Parc de Tsimbazaza)があって、アロエ属、カランコエ属、トウダイグサ科、シュウカイドウ科などの、この島に特有の多肉植物を含めた1,200種が植えられている。

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