第九〇話 短日植物のはなし②
巨大ダリアの短日処理
フェアーに合わせて咲かせたツリーダリア
平成7年の夏から秋に、千葉県幕張、稲毛の海浜公園を会場にして、第12回全国都市緑化ちばフェアー'95が開催された。筆者は稲毛会場にダリアガーデンの設置を提案、同時に巨大草 ツリーダリア Tree Dahlia(Dahlia imperialis)を仲間の助けをかりて植えた。メキシコ高地産のこの巨大ダリアは、よくよく日が短かくならないと開花しない曲者だ。古巣の東大植物園の親株は、例年、11月の文化の日前後に咲く。だから、フェアー開催期間(8月25日~10月25日)の開花は難しい。極短日性のこの花を何とか咲かせて観覧に供しようと企て短日処理を会場内で実施した。フェアー実行委員会の松沢秀俊部長、地域整備協会の小泉力常務、京成バラ園芸の池田守君の協力を得、日々の世話を園芸担当の山崎喜久雄君にその労をわずらわした。結果は閉会3日前に開花した。翌日の朝刊にカラーで掲載、多くの来場者でにぎわった。緑化フェアーに一味添えたものと自負したい。詳細は画像の通り、大方の参考になれば幸いである。
川上幸男 著
B6変型判 / 並製 / 301頁 / 定価1362円(本体1,238+税)/
ISBN4-900358-40-1
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