昭和59年出版を業とするアボック社が、有識者の集りを戴き、岩手日報社において「田園都市の緑化」を課題に座談会を開催し、その記録を拝見した。内容は、未来の文化都市形成に視点を置く緑化についてである。緑を通じての文化都市づくりへの挑戦が望まれている今、現在と未来をつなぐ緑への発想の転換が必要であり、その数々を座談を通じて指摘されているように思われた。このたびお許しを得てこの記録をまとめることができた。改めて、この記録を心よくご提供頂いたアボック社に御礼を申しあげる次第である。
昭和63年4月23日 盛岡地方振興局 林務部長 斉藤光市
田園都市の緑化(座談会録:未来の文化都市形成に視点を置く緑化について 於)岩手日報社)
(社団法人岩手県緑化推進委員会盛岡地区協議会発行)
はじめに 最近、森や緑に対する関心が高まっているといわれている。とかく、「自然を守れ」「緑を守る」ということを聞く。しかし、この自然・緑とは何んだろうかと考えると、単にひとことで片付けられない意味をもつように思われる。
森の観光地の緑化構想・覚え書
天然林伐採中止宣言をふまえて 林野行政が従来の政策を大転換した。ブナやミズナラなどの天然林の伐採を、現在の計画を最後にして、以降中止し、その資源をそっくり後世に残す――40年ぶりの大改革。
田園都市の緑化
ここ三十年このかた、急激に進んだ近代化にともない、とくに都市部における生きた緑が年毎に失われ、今はただ、緑の多かった当時を懐かしむだけである。然し、幸い、前大平内閣は、その政策の一つとして田園都市づくりの構想を打ち出し、現鈴木内閣がこれを継承して、五大都市の近郊を含めた全国の中小都市を対象とする数多くの政策を実施しようとしている。
〔採録・Aboc Works〕カテゴリリンク