小笠原は熱帯圏に属しているが、北の限界に近いため熱帯、亜熱帯植物のほか本州中・南部の植物と関係深い暖帯性のものもある。
丘陵から山地にかけての森林は、多くが小笠原の固有種で作られている。山腹地や谷間のやや湿気の多いところにはヒメツバキやモクタチバナで代表される高木林がある。山地の風当たりの強い斜面にはコバノアカテツやシマイスノキなどの低木林が形づくられている。
これらの植物を十年余のフィールドワークで総合的にとらえた。生態写真三百枚(カラー)と図版二百三十一枚を収録している。(豊田武司編『小笠原植物図譜』=アボック社、二九〇〇円、箱入り上製本は七五〇〇円)
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