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金井弘夫:新日本地名索引 全3巻

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1994年2号 植物研究雑誌 THE JOURNAL OF JAPANESE BOTANITY

■金井弘夫:新日本地名索引 全3巻

(1. 五十音篇(24)+2014pp., 2. 漢字篇(上)(16)+2634+46pp., 3. 漢字篇(下)(16)+2588+46pp.)1993. アボック社出版局発行、丸善発売 \155,000 (セット)。


本書は現在発行されている国土地理院2万5千分の1地形図に含まれている全ての地名とその位置を緯度と経度で示した索引である。新日本地名索引という題名から本書が金井さんの前書日本地名索引の改訂版のような印象を受けるかもしれないが、それとは異なる全く新しい本である。旧書では20万分の1から約12万4千件の地名が拾い出され、金井式位置座標値で位置が示されていたが、今度の本では国土地理院発行の2万5千分の1地形図を元地図として、そこから新たに約38万5千件の地名を拾い出し、それら地名の位置を元地図の緯度と経度で示している。これによって今度の新日本地名索引は直接に位置が示されていることになり、大変に使いやすいものとなった。第1巻は全地名を五十音順に並べたもので、いわばふつうの索引篇であり、最も使い易い部分である。第2-3巻は漢字篇で漢字による索引、ここでは地名を構成する漢字のどの一字からでも元の地名が引き出せる方式が採用されている。そのために、項目数が膨大になり、2巻を要している。しかしこの方法は非常に便利であり、著者のアイデアに感心させられる。

金井さんは1958年に原・金井の日本種子植物分布図集第1集を出版した。このとき既に2万5千分の1を基礎とした今回の形の地名索引の必要を実感していたのではないか、35年来の想いが実現したのではないかと私は思っている。本書は、前書もこの点では同様であるが、植物地理学のみならず、日本の地名に関係する全ての分野で利用できるものである(宅配業界でも利用されているという)、日本の文化に貢献する基本図書と評価しても過言ではないと思う。

本書が収録の対象とした元地図は現在発行されている2万5千分の1である。元地図に載っていない有名な植物採集地もある。また、変更された古い地名も少なくない。これらは当然のことであるが、本書では探し出せない。金井さんにもう一度頑張っていただいて、次の地名索引では古い地名を拾い出すことも目標にしてもらいたいものである。というのは、標本のラベルにはその標本が採集された時代の地名が書かれており、変更された地名、特に村や町などの古い行政区画の地名はこの本では拾えないものがあるためである。しかし、実際には字(あざ)の地名はあまり変わらないので、その点で補えることが多い。一方、収録されている地名が膨大であるだけに同名の異地が驚くほど多い。このため字の地名だけに頼ると思いがけない間違いが生ずる。この点に関して、本書の紹介とは少し離れるが、利用者が注意すべき点を述べたい。例を挙げる方が分かり易い。明治から昭和20年頃にかけての好採集地に埼玉県(武蔵国)の平林寺がある。これは新座市野火止の平林寺であるが、本書には、同じ埼玉県平林寺が岩槻市にあって、野火止にない。このように元の2万5千にはない地名の同名の別地が同じ県内にあることもある。たまたま気付いた例であるが、ホモニムの地名に注意が必要である。

最後になったが、学問の基礎として誰もが本当に必要としながら、これまで作られなかった、このような基本的索引を作り上げた著者に敬意を表したい。 (大橋広好)


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