Sinocalycanthus chinensis
文献/中国植物志<第30巻-II>P3~5
「この写真をごらんになって、どんな仲間かを当てられる方は植物の分類にかなり通じておられる」と、かつて東大小石川の伊藤義治さんから写真を見せられたことがありました。
花はモクレン科のオオヤマレンゲに似て10cm大のきわめて美花大輪、花冠は肉厚でほぼ白色(ごく薄い紫)、中心部は淡い黄色。
まず、この花の形にまどわされるとアウト。ポイントは葉にあります。
この植物、変な経路で某中国植物研究者から小苗を頂戴し4年目にしてみごとに開花したもの。中国は浙江省(天目山脈・海抜600-1000m)の特産種でロウバイ科の落葉低木です。
中国名「夏ロウ梅」(伊藤さんは和名をナツロウバイと、そのまま読んでいる)。所属はアメリカロウバイに近いCalycanthusとSinocalycanthusとを独立させる説があります。栽培はややむずかしく半日陰地で湿った土壌でないとうまくいきません。中国文献によると3mに生長。開花は5月中~下旬。2週間位咲きつづけます。茶庭など日陰地の花木として逸品か?
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