1983年頃 掲載誌不明
●販売会社 (株)ユニオス
●お客さま (株)アボック社★OASYS 100ほか二機種
アボック社が鎌倉に拠点を移したのは四年前。それ以前は東京・神田神保町にあったそうだ。当初、各種編集業務を行っていたが、八年前からエコロジスト集団として植物園、森林公園などで使われる植物ラべルの受託制作をスタート。現在はラべリング、標識、案内板の制作のほか、植物関係誌の出版・編集も行っている。
同社の植物情報センターには、0ASYS 100、100Jが各一台、マイ・オアシス一台が設置され、フル活用されている。
「植物の情報整理は永続性が必要な細かいデータ管理の作業で、各植物園は日常の業務に追われ、そこまで手が回らないのが実情です。このニーズに応えて、植物情報管理のためのプログラムを開発したんですが、その情報入力用にオアシスを導入したんですよ」
と、口を切ったのは毛藤圀彦社長。
このアボック植栽植物データ管理システムは、データシートに原産地、生育地、学名、和名などの必要データを各植物園が記入するだけで、あとはすべてフォローしてくれるもの。アボック社は、データシートに記入されているものをオアシスに入力。データ項目は番号化されており、入力の際には番号とデータ、それと受入れ番号、カード作成年月日も追加される。この受入れ番号が同システムのポイントで、これにより植物・種子の動きが記録・追跡されるという。
「校正が完了すると完全原稿としてフロッピィディスクを大型コンピュータにかけてデータ処理します。コンピュータ処理は外注ですが、このコンピュータが富士通製で非常に具合がよかったので、それならワープロもオアシスをと考えて導入したんですよ」
このシステムで「植栽植物記録カード」「植物目録」の作成を始めたのは昨年のこと。現在、植物情報センターでは二名のオペレータがフル稼働で入力にあたっているほか、外注にも出し、作業は急ピッチで進められている。
カナタイプの経験者で、オペレータチーフの女性は「親指シフトは、スピーディで正確な入力ができますね」。社内での評判はもちろん、社外でも大好評だという。
同社では、今年から新たに「日本植物分類関係文献目録」「日本被子植物名索引」の編集もスタートさせた。これらをはじめ、小冊子、パンフレット、社内文書など、あらゆるものをオアシスで叩き出している。「オアシスの活用は、地方と中央との情報流通の格差を縮め、また事務の効率化は人間をクリエイティブな仕事へ向かわせますね」と毛藤社長は強調する。
毛藤社長の夢はさらに広がる。このところ全国の植物園の担当者と会うたびに、オアシスの導入を説いているのである。「各植物園が当社のシステムに基づいて直接オアシスに情報を入力すれば、植物のあらゆるデータが全国レべルで集約できる。そうなれば、日本に生育する植物の体系化を図れます。これによって植物研究も一段と進むと 思いますよ」
自然との共存をテーマに"独創的な展開を求めていこう"をモットーとするアボック社にとって、オアシスはまさにピッタリというわけである。
[写真上] 毛藤圀彦社長
[写真中] 同社の植物情報センタ二でフル稼動中のオアシスの3機種
[写真下] 今でほ珍しくなったワラぶき屋根のアボック社
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