2003年(平成15年)9月15日 第495号 環境緑化新聞
アボック社(毛藤マリコ社長)はこのほど、「日本で育つ熱帯花木植栽事典」を増刷、多数の入手要望に応えるとともに、本文用紙を変更、厚みと重さを軽減し、より取り扱いやすい事典として、希望者への販売を行っている。
厚み重さを軽減 扱いやすさ増す
トロピカル・ガーデニング・マニュアルが副題の本書は、15年の歳月をかけて、1998年に初版を発行。B5判、カラー704頁を含む全1224頁、本体価格5万9千円の大著だ。著者は、東京ディズニーランドへの熱帯植物導入など、学識・実務ともに傑出した坂嵜信之氏。今回の増刷について、「著者冥利に尽きる。支持してくださった読者諸氏に感謝している」と語る。
本書が好評を得たのは、植栽設計のための基礎知識から、苗木の入手難易度、全属の日本露地栽培可能地リスト、ゾーン別植物索引と栽培法解説を収録。単なる植物図鑑に留まらない“日本で育つ”と銘打った編集が読者のニーズを掴んだ。しかし、この反響は予想を超えるもので、入手の要望を受けながら品切れの状態が続いていた。
近年、ガーデニング熱の高まりや緑の環境づくりのための植栽設計ニーズの拡大、さらに、緑花関連資格受験者の増加など、向学心の高い幅広い植物愛好家から、再び多くの要望が寄せられていた。
また、「東京や大阪の中心市街地はヒートアイランド化の進行により亜熱帯化しつつあり…ゴムの木を主木にカポック…などという植栽設計も都心であれば十分に可能である」(本紙485号・都市環境と緑・山田宏之氏)、「熱帯・亜熱帯植物で都市を彩る」(「グリーン・エージー(98.7)」山本紀久氏)と、ヒートアイランド現象が植栽植物の選択範囲を大幅に広げ、家屋の変化にも見合ったこれらの植物を前向きに利用しようという専門家も増えてきた。
本書の収録植物は熱帯から亜熱帯の294属2236種。海外の植栽事例を数多く載せているのも大きな特徴で、1761枚のカラー写真と227枚のボタニカルアートを盛り込んだビジュアルに構成されているほか、英名、沖縄名、中国・台湾、園芸品種名からの索引も検索しやすいものとなっている。
すでに、問い合わせも多く、同社では、部数限定の上、今後の入手は困難かもしれない」と、この機会の入手を呼びかけている。
問い合せは、同社0467・45・5119。
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