1984年5月22日 読売新聞
樹木の知識満載 庭造りの参考に住宅・都市整備公団の案内書
お宅の周辺ではどんな樹木の緑が目につきますか―。住宅・都市整備公団は、公団住宅周辺の樹木をカラー写真で紹介したカタログ「これ、なんの木」第一部、第二部(ともに変型B5判、十五ページ)を作成、東京都内と千葉県内の公団団地四十か所の現地案内所とモデルルームで無料配布しているが、人気を呼んで当初の二万部で間に合わず、さらに増刷している。
収録されている樹木は、第一部が高中木編で五十九種、第二部がタケ、ササなど低木五十六種。
それぞれ二枚のカラー写真がつき、植物名、学名、常緑と落葉の別、生長時の高さ、花実の特徴などを説明している。
公団は一団地につき約百種類の樹木、中層団地では一戸当たり三十本の高木、低木を植えており、これから六月にかけて花が楽しめるムクゲ、モッコク、ナツツバキ、タイサンボクなどがどこにあるかも一目でわかる。
また苗木は関東周辺で生産され、丈夫で移植しやすいことを基準に公団が選び植えているため、一戸建ての人が生け垣や庭造りをする時にも参考になりそうだ。
カタログは、もともとは東京都品川区の品川八潮パークタウン、江戸川区の葛西クリーンタウン、千葉県白井、印西両町の千葉ニュータウンなど、同公団東京支社が最近建設した四十団地の販売案内の一つなのだが、緑に飢えた首都圏で″グリーンウォッチング″する格好の手引きともなるため、公団が予想しなかった人気となった。
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