- Pyracantha crenulata Roem.
- 〔ピラカンタはギリシャ語のpyr(火)、acanthas(刺)からなり、クレヌラータは「細鈍鋸歯のある」という意である〕
花はトキワサンザシに似て美しい常緑の低木である。日かげでも育つが、徒長して3mに達し、花数も少ない。
原産地は中国の奥地からヒマラヤ山脈にまたがる。はじめ中国の華山で多く作られたが、後にここから広まったので「カザンテマリ」とも呼ばれる。テマリは白い小花が沢山集って「てまり」のようになるからである。
余りにも乾燥した場所は嫌うが半日かげでも十分、花と実を楽しむことができる。
耐寒性が強く露地栽培によい。病害虫はこれぞというものがないが風通しの悪い日かげでは「カイガラムシ」の発生することがある。
庭木として花壇の中心に植えるもよいし、繁殖して生垣を造るのもよい。ブロック塀から頭を外に出させるのもよい。
繁殖は容易でさし木がよい。6月がその時期である。一度に多くの苗を育てたいときは実生によるが、とりまきとする。翌年の夏過ぎに発芽をはじめる。稚苗はタップリと肥料をやっておいた苗床(半ひかげに設ける 日当りの床苗ではビニール製のスダレをかけて日半かげをつくってやる)に移植して育てる。十分活着したらスダレをはずすが水やりを忘れないように。
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