欧州原産とも云われ、わが国には古く中国から渡来したという。源氏物語にも見られる。
「その原や伏屋に生ふる箒木のありとは見えてあわぬ君かな」(源氏物語)若い葉はおひたしなどにして食用となり、種子を1日8g程度の煎汁にして、飲用すると利尿・強精剤となるほか、秋落葉したあと、根元からきりとって水に浸しておくと表皮がはがれ、それを乾かし3株ぐらいを束ねると立派な白い箒ができる。その名前もこれから来ているのだろう。
1年草で草丈は0.8~1.2メートルぐらいにもなり、はじめは緑色だった葉が秋になると濃紅色に変化し美しい色合となる。集団で植えている景観はすばらしい。一度植えると毎年こぼれ種子から増えて尽きることがなく、継続して観賞できる。
比較的雑草にも強いので、播きつけるときは春期、簡単な耕起をして1㎡当たり0.5グラム程度の播種量でよく、軽く上をかけておく。管理としては、当初苗より伸びた雑草を取り除く程度で良い。
各地区で行われる植樹祭会場の道筋、記念碑の周辺等を草花で囲むことは、植樹祭会場の四季を思うとき、再びそこを訪れようとする思情をひき起こすことになるのだろう。 ホウキギを含めて比較的広い面積を草花で飾る野生の草花をワイルドフラワーといい、最近自動車で通る沿道周辺あるいは、牧野景観に色彩を添える意味で盛んに使用されている。
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