地中海沿岸を原産地とする「アブラナ科」の二年草ですが、盛岡地方では、一年草として取扱います。草丈は25㎝位で、一株が沢山に分かれて群生状態になり、茎の先きに十字形で直径5㎜位の小花をギッシリと着け、甘い芳香をあたりにただよわせます。
花期は非常に長いので特長で、早春まきでは6月から咲きはじめて、花壇や庭に咲く花の全くない11月下旬までの長い間、花を楽しむことができます。
- まきかたと育てかた
半日以上は陽が当たり、水はけのよい肥えた場所を選び、深さと巾を15cm、長さ1.5mに堀り起し、土くれのないようよく砕いて均らして播き床を作ります。一方、コーヒーコップ3杯分の乾土(新聞紙に広げて半日位日乾した細土)に、小袋の全量(約250粒)の種子をよく混ぜ込みます。これを播き床の全面に均等に播き、この上を軽く手でたたき、如露でサッと軽く水をやります。
本葉が2~3枚位のとき、雨天の前日を選び、午後2時頃に水をタップリをやり、夕暮れに10cm四方に一本立てになるように間引きをしますが、間引きは引き抜かず、移植べらで、ていねいに根をつけて堀り上げ、移植用の苗として用います。
盛夏に株が弱って、茎の枯れるものがでたときは、その部分を切って、水を十分に与えると、根元から新しい芽が出て、再び回復し、初秋には花の多い立派な株になります。
- 手入れ
病気に強いので、心配いりませんが、「カブラハバチ」がよく寄ってきて、卵を生みつけます。黒い幼虫は触れるとすぐ落ちますので、ホーキの先で地面にたたき出し、掃き集めて処分します。
- ふやしかた
前の年のこぼれ種からドンドン増えますが、沢山の種をとってふやす場合には、初秋から5日か7日置きに、花茎をこいて種取りを行い、株が寒さで枯れる12月のなかばまで続けます。
- アリッサムの植え場所
アリッサムは匂いがよいので英国ではスィートアリッサムと呼び、群植すると花の絨毯を敷きつめたように美しいので、園芸品種にはローヤル・カーペット、カーペット・オブ・スノーいうものがある位です。だから、この花を、こんご、つぎのようなところにどんどん作って、花の豊かな街づくりの一人として、あなたもアリッサムをとおして参加していただきたいと思います。
- (1) 校庭や公園の花壇のへり花として。
- (2) 広場の群生花壇づつりとして。
- (3) 生垣やブロック塀の根元の空地の緑化単花として。
- (4) 住宅の前の空地、小径に沿って残っている空地の緑化草花として。
こんど配布するアリッサムの種子は改良種の混合ですから、白色、濃紫色、淡*色、桃色などの花を同時に楽しむことができます。
(注:「*」は判読不能です。)
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