「名前が分からない、というのは、やはり相当なストレスなんでしょうね。このサイトで名前が分かって、『うれしい、ありがとう』『スッキリしました』というコメントが、たくさん寄せられます」
と語るのは、会員同士が花の名前を教え合うウェブサイト「はなせんせ」事務局の森弦一さん。2005年6月にケータイサイトとしてスタートし、翌年春からはパソコン用のサイトも立ち上げている。
どちらも無料の会員登録を済ませれば、名前を知りたい花の写真を投稿して、会員のお知恵を拝借できる。早ければ、投稿した数分後には回答コメントが付けられ、頭の中の疑問符を削除してくれるのだその気分の良さは、確かに素直な感謝の気持ちを呼ぶ。
ケータイなら附属のデジカメで撮った写真を、その場で送れる。散歩先で気になった花の写真を投稿すれば、しばらくし時間をつぶしているうちに、誰かが答えを教えてくれるかもしれない。
もちろん植物の知識に自信があれば、回答する側に回ることもできる。
「自分の知識が役立って喜ばれるので答える人も楽しいと思いますよ。利害関係のない感謝の気持ちですから、うれしさもひとしおでは」(森さん)
名前の問い合わせだけでなく、「今、こんな花が咲いていますよ 見てください!」といった、折々の花の写真も届くという。居ながらにして、全国の花便りを楽しめるわけだ。こんなふうに、植物を肴にした気楽なおしゃべりの場としての役割も大きい。
ケータイサイトでは、独自の植物辞書「花ペディア」の充実化が、会員の投稿写真を組み込む形で進んでいる。現在、検索対象の植物は約2万7000件にも上る。
暗い話題が目立つケータイ、ネット界に、こんな素敵なサイトが育っていることがうれしい。
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