街角ですてきな花に出合った。でも名前が…。そんな時、カメラ付き携帯電話で植物を撮影し送信すると、名前が分かる無料携帯電話サイト「はなせんせ」が愛好家の人気を集めている。サイト登録者が植物名を教えあう仕組みで、開設一年で全国の登録者は約七千二百人に上り、道内からも二百人近くが登録している。
サイトは、植物事典出版などを手掛ける「アボック社」(神奈川県鎌倉市)と、特定非営利活動法人(NPO法人)「栽培植物分類名称研究所」(同)が昨年六月に開設。これまでに二百万件以上のアクセスがあった。
投稿者は、写真とともに、例えば「昨年九月に室蘭の地球岬で見つけました」などと、見つけた時期や場所、生育環境などの情報を添えてサイトの電子掲示板に送信する。すると登録者は掲示板に「キキョウ科ツリガネニンジン属ですよ」となど返答。「地球岬の名前に合うすてきな花ですね」などのコメントも寄せられる。
登録者には植物学や園芸、造園の専門家もおり、遅くとも二、三日で必ず名前が判明するという。名前が分かれば、同サイト内の二万種類以上の野生植物や園芸植物のデータベースで、より詳しく調べることができる。まさに「世界最小の携帯植物大図鑑」(アボック社)だ。
道内で撮影した花の名前を知るための写真投稿はこれまで百件近くに上っており、同社会長の毛籐圀彦(もうとうくにひこ)さん(62)は「高山植物をはじめ北海道は花の宝庫。恵庭の花のまちづくりも全国的に有名で、道民は花を愛でる心が豊かだと思う。北海道の人も花コミュニケーションを楽しみませんか」と呼び掛けている。
サイトはニックネームで登録でき、利用は無料。
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