「ユリノキという木―魅せられた樹の博物誌」(毛藤勤治著、アボック社) 高さ六十メートルにもなるモクレン科のユリノキは、はんてんに似た大きな葉をつけ、チューリップそっくりな花が咲く落葉高木。北米原産だが明治八年に日本にも導入され、各地で街路樹や公園木として親しまれている。その分類学や植物地理、発見の歴史や原産地の状態など、さまざまなデータやエピソードを毛藤・元岩手大講師や四手川綱英・京大名誉教授らがうんちくを傾けている。北米の自生地や中国奥地のシナユリノキ自生地、日本各地の現状などの検索報告もあり、ひとつの植物文化史をつづっている。
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