1984年4月号 現代林業
ダリウス・キンゼイはアメリカ・ミズリー州に1868年に生まれ、写真店を経営するかたわら、風景・人物をすぐれた構図と完璧な技術で情緻な画像に表現してきた写真家である。
この写真集は、そのキンゼイが撮った原生林の巨木と木こりの写真集で、森林伐採、開拓者の生活、森林鉄道の歴史的記録写真として他に並ぶものがないと言われている。
単にアメリカの西部開拓史・社会史の資料としての価値のみならず、それを越えた、民族の魂を奏でる芸術、あるいは近代文明に対する強力なアンチテーゼ……を感じさせてくれるのではないだろうか。
田口孝吉訳、中上健次解説 (アボック社発行)
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