1994年4月号 月間言語
「2万5千分の1地形図地名・38万余件完全収録」と本書の箱にうたってあるとおりの大冊である。集落名や山川の名など、ほとんどの地名が入っている。コンピュータで出力された地名と地図名・市町村名・位置データが収録してある。第1巻『五十音篇』が本体で、第2、3巻『漢字篇』は専門用語でいう KLIC (Key Letter In Context) である。おかげで、地名の読み方が分からなくとも引 けるし、個々の構成要素や漢字も調べられる。地名の位置は緯度経度で指示してあるので、どの地図でも位置を特定できて便利だ。
元々の地名データはコンピュータに入っていて、分布地図作成プログラムと連動している。この機能を活用して作った地名分布図が宣伝用パンフレットにたくさん載っている。色々な地名の分布が分かって、実に面白い。もっと出力して論文にすれば、大きな貢献ができるだろう。
この地名索引は現在最大最詳のもので ある。公共図書館には必備の書である。
(井上史雄)
[アボック社・B5判第1巻2014頁、第2巻2679頁、第3巻2632頁・155000円]