(掲載時期、掲載誌不明)
「寫眞帳 小笠原」―発見から戦前まで―
倉田 洋二編小笠原諸島は、太平洋上に占める位置から各国の捕鯨船、軍艦などが寄港した。日本の開港を求めるペリーの艦隊は父島に入港し、測量をしたり、四足獣のいない島に牛や山羊を放している。彼の日本遠征記には当時の小笠原の自然や人々の生活が詳しい。領有権を主張する日本は、咸臨丸の派遣、朝陽丸による移民を幕末に行っている。
本書は、小笠原に魅せられて小笠原に住みついてしまったという著者が、小笠原の人々に残されている写真を集めて、戦前までの小笠原を辿った写真集である。写真は、発見、開拓Ⅰ・Ⅱ、島風景、産業、戦争などのタイトルで構成される。開拓初期の珍しい写真。小笠原に滞在する北原白秋、小笠原に流された朝鮮独立の志士金玉均の関連写真も見られる。説明をもうけ写真を補足しているのも親切だ。(A5判・二七二頁)