「帰化植物の細密原画200点」
(森下功氏)日本の植物画倶楽部(吉田泰子会長)のボタニカルアーティストたちが制作した植物画を集めた「帰化植物画展」がパルテノン多摩(多摩市落合2)で26日から開かれる。会員たちの作品を収録した「日本の帰化植物図譜」(アボック社刊)の出版を記念し、細密な彩色原画約200点が展示される。3月7日まで。
帰化植物は人間の活動と共にかつて存在しなかった土地に生育の場を広げてきた植物。空き地や道ばたなどで見える植物の大半は帰化植物だ、とも言われる。同書によると、3~5月ごろ、花をつける「オオイヌノフグリ」は原産地は遠い西アジアだが、北海道から沖縄まで分布している。日本への渡来が確認されたのは1884年とされる。
身近でありながらあまり注目されることがない帰化植物を見つめ直すことで日本の自然環境を見直すきっかけともなりそうだ。展示作品の「アメリカネナシカズラ」を制作した石川美枝子さんは「見慣れている植物の絵を見て『これも帰化植物だったのか』と驚かれる方が多い」と話す。
入場無料で、期間中は無休。3月1日午後2~4時まで、図譜を監修した大場秀章・東大名誉教授の記念講演会(先着280人)もある。