1990年7月15日 花卉園芸新聞
美樹、在る。――と帯に大きくうたってあるように、街や都市の景観づくりに必要不可欠な樹木について、景の観点をポイントにまとめたユニークなガイドブックの第一弾、高木編。
収載植物は百六十二属四百五十種に及び、一種の植物図鑑といえなくもないが、美しい植栽事例等の写真に加えられた解説は、「美性」つまりアートの眼で見た各樹木の美点、特徴を最重点に置いている。
我々が植物を見かけて関心をもったとき、いわゆる植物図鑑をひもといても、そこには無味乾燥な分類とか形態などといった学術解説が待っているだけ。本書はユーザーの立場を重視した解説でそれに応えてくれる。また、その樹木を植えたとしても果たして育つのかどうか、クライメイトゾーン(植栽気温帯)の考え方を本格的に取り入れた明快な表示で、環境に合った樹木選びの手助けになる。B5判、三六八頁。