1981年11月 共同通信
イラストレーターの著者が手書きのイラストだけで自らの半生をたどった風変わりな本。昭和十八年の東京生まれ。神奈川県での高校時代は陸上競技、ソフトボール、空手、文芸などのクラブに入ったあと、二年からはサッカー部。期末試験の前日も「たれもいない校庭に居残り時間つぶし」と気ままに過ごし、三十七年専修大入学。出版社勤務のころ、初めて「意識的に絵を描き出し」て二科展に入選して絵の道へ。友人や同僚、近所の人をはじめ祭りや相撲など自らの体験に沿った行事や風俗についても詳しく、イラストでまとめられているため立体的で魅力ある読みものになっている。
(アボック社、A5判、四八七ページ)