「かつて紫色は禁色(きんじき)であった」。…その起源ともなり、日本の美を象徴する代表的伝統園芸植物・カキツバタのモノグラフ。異端の研究家・堀中明のライフワークを世界のアイリス愛好家に向けて英訳付で編纂。江戸から現代に伝承された貴重な園芸品種86種のいくつかはすでに消滅。その一つ一つのカラー写真はきわめて貴重な記録となっている。
再販検討中
堀中 明 著
B5判 /264頁 / 定価9,900円(本体9,000+税)/ ISBN 4-900358-24-X
[1990/07/15]かきつばた花譜
カキツバタについての書は今日までなく、
園芸書や植物所などに断片的に見られるのみであった。
ここにカキツバタの集大成を試みた。
日本の群落から生まれた究極の美と文化
江戸~近代~現代に伝承した
燕子花(かきつばた)品種群、
知られざる交配種など全紹介。
[写真右上:銀河 Ginga]
[写真左上:夢の宴 Yumenoutage]
世界から到着した『かきつばた花譜』への熱い期待!
堀中 明 著/かきつばた花譜/B5判・上装本・総264ページ/力ラー写真・図版多数
力キツバタについてのこの本は、世界中のアイリス愛好家の蔵書に歓迎される一冊であり、アイリスに興味を持っているすべての人のために優れた著作である。
アメリカアイリス協会会長
ジェイムズ W.ラスマッセン
この本は野生種や、何百年も前から現在に至るまでの品種、自生地や保護区域、詳細にわたるチェックリスト、商業の様子にもふれています。加えて彼は、美術・文学など日本人の日常生活に関わるこのアイリスについても扱っています。
英国アイリス協会会長
ミセス ブランコ ホワイト
この種の歴史や文学、美術などの叙述は非常に有益であり、特に価値があるのは、カキツバタの野生種の分布や、花の色と形態における自然の変異です。
英国アイリス協会・野生種研究グループ会長
W.R.キレンズ
耐寒性はKakitsubataの特徴の一つであり、これは北部の園芸家には非常に有難いことである。……… 私は、Kakisubataの野生種と園芸品種が、新しい耐寒性の品種の育種や導入に決定的な役割を果たすものと確信する。この本の最後の部分は、カキツバタの交雑における可能性を述べている。
レ二ングラード植物園・園長
ゲォールギー I.口ディオネンコ
アイリス属で恐らく最も長い間栽培されて来たものと思われる力キツバタの、堀中明氏による注目すべき記録は賞賛に値する。野生種の起源と体系における位置付けから最近の園芸品種に至るまで、このユ二ークな好水性植物のあらゆる面が彼の書で扱われている。
アメリカアイリス協会・野生種研究グループ 初代会長
B.リ口イ デビッドソン
欧米では、Kakitsubata、Hanashobuは、ともに一世紀に渡って知られていますが、ハナショウブが種苗商や日本のアイリスの会で広い人気を得、展示会で賞を獲得して、それを証明したのは、つい近年のことです。カキツバタの美しさ・伝統・育てやすさを広める堀中氏の本はKakitsubataに飛躍的前進をも与えるでしよう。
アメリカアイリス協会・野生種研究グループ 前会長
工レイン ハルバート
この本の主な内容
「このような絶品があったのか!!」
華道家たちが驚愕した名花の数々。
<新しい花材としてもお楽しみください。>
①月姫 Tsukihime
②叢雲 Murakumo
③天の川 Amanokawa
④赤い河 Akaikawa
堀中 明 著
『かきつばた花譜』を推薦する
京都大学名誉教授・塚本洋太郎
花菖蒲の本はすでに何冊も出ていて、花菖蒲園は全国に渡っている。しかし、日本の園芸植物の歴史をみると、カキツバタの方がより根源的で、長い歴史をもっている。堀中君の著書は今まで手をつけなかったカキツバタの歴史を詳細に調べ、品種の特徴と来歴とをよく明らかにしている。過去の自生地、古文学、和歌などに立ち入って、そのすべてを洗い出しているが、実物を知った上で、長く研究を重ねられたためにできた業績というべきだろう。日本の園芸文化に関心を持たれる方は是非求めていただきたいと願う次第である。
著者略歴
堀中 明(ほりなか・あきら)
1925年大阪市生れ。京都大学農学部卒。京都大学大学院にて花卉園芸学を専攻。アイリスとスイセンの調査研究を行い、内外の書や雑誌類に寄稿多し。現在日本アイリス協会会長。アメリカアイリス協会審査員。
著書『花と木の文化 花菖蒲』(共著)
家の光協会刊
[写真左上:白八葉 Shirohachiyo] [写真右上:青い鳥 Aoitori]
[写真:菊の御紋入りの鉢に咲く、大聖寺の鷲尾 Washino-O]
アボック社出版局
鎌倉市大船2-14-13
Iris laevigata(Kakitsubata)by Akira HORINAKA
Pictorial monograph including traditional 86 cultivars
as well as natural variations.
Art and culture around this flower are given.
With brief English descriptions.