1998年10月23日 中日新聞
小笠出身ブラジル在住の植物学者県庁を表敬訪問
ブラジル在住の植物学者で、出身地・小笠町の名誉町民顕彰式などに出席するためため来日中の橋本梧郎さん(八五)が二十二日、県庁を表敬訪問した。
橋本さんは、一九三四年にブラジルに渡ってからアマゾン流域などの植物の研究に没頭し、昨年一月にはサンパウロ市内に約十五万点の標本を所蔵する標本館を完成させている。
これらの標本は、最近のDNAレベルでの研究技術の発展もあって、新薬開発などに役立つという期待が高まっている。
出迎えた石川嘉延知事が「人類の財産となる研究です」とねぎらうと、橋本さんは「どうやって分類するかが問題です。ブラジルだけではなく、南米中に調査を広げたい」と話すなど、今後の研究に意欲を見せていた。
橋本さんと石川知事は、出身が小笠、大東という隣町なのに加え、掛川西高と前身の旧制掛川中学の違いはあるが同窓生の間柄。植物のほかにも、ふるさと談議に花が咲いていた。
[写真:表敬訪問で知事と懇談する植物学者の橋本さん(右)=県庁で]