1996年6月15日 サンパウロ新聞 Sao Paulo Shimbun「窓」
事典とか辞書類は爆発的な売れ方をしないのが普通。ブラジル日本商工会議所が93年に発行した「ブラジル経済事典」は大量だったせいもあり、鉦や太鼓で宣伝しても未だに残部があるそうだし、大体そうしたものだ。ところが最近はちょっとした異変。橋本梧郎氏による「ブラジル産業用植物事典」が予約受付けと同時に売り切れ、そしてまた最近の「現代ポルトガル語辞典」が事売れ行き上々、高野書店などは同書店の20周年記念にぶっつけ無利子5回が見事に当たり、5百冊がさっと売れたというから大したもの。従来から難を言えば簡易辞書」の域を出ず編纂語数が少なすぎ不便をかこっていたが、これなら当面毎日の伴侶となりそう。静かなブームと言えよう。