「研究家が地図や図鑑入れて」
梅雨の訪れとともにアジサイの季節の到来、鎌倉の寺社などの散策路に行列ができ、江ノ電の車中もホームも人があふれる。
「鎌倉のあじさいと名花名木めぐり」という本が出版された。
「アジサイは4月末ごろから11月ごろまで花が楽しめます」と話すのは、同書の文などを担当したあじさい研究家・川島榮生さん(69)=写真。
高校で生物教諭をしていたが定年退職したころ、ヤマアジサイとの出合いがアジサイ研究のきっかけとなった。花の色や形がさまざまで、見るときどきで違った様相をみせるヤマアジサイに魅せられ、アジサイを訪ね歩いている。
「アジサイの専門書がないので作ってほしい」と出版社にいわれてまとめたのが2010年に刊行された 「あじさい百科」。アジサイ科約2千種が網羅された本格的な図鑑になった。
今回の本はヤマアジサイが中心でB6判・192ページの手軽なポケットサイズ。約5百枚のカラー写真が収録されていて、鎌倉の寺社のアジサイの見ごろ見どころが示されている。
鎌倉宮、明月院、光則寺など14カ所の名花名木などを網羅した植栽マップもあり、地図を見て花の名前や品種を確認できる。3年がかりで調査したという。
鎌倉で見られる百種のアジサイ図鑑があり、ケイタイ電話でQRコードを読み取ると情報が得られるのもこの本の特徴。
監修は日本アジサイ協会副会長で鎌倉アジサイ同好会顧問の池田正宏さん。指導は鎌倉アジサイ同好会の太田哲英さん。撮影は川島さん、元毎日新聞鎌倉通信部記者の吉野正浩さんら。