「2000品種を写真入りで紹介した労作」
アジサイの仲間はアジア大陸と北米南米大陸に多くの種類が分布している。が、今北米大陸の西側にはない。日本はアジサイの原産地でありながら、栽培品種の研究が遅れていた。アジサイ属は白い花を咲かせる種が多く、これはアジアもアメリカも同じ。ところが、アジアには青から紫の花を咲かせるタマアジサイの仲間とガクアジサイの仲間がある。これらの起源もよくわかっていない。ともあれ、アジサイの全貌を掌握するのは難事業だった。日本には15種を超えるアジサイ属の種が野生し、観賞用に改良した栽培品種の数も二千を超す。それを写真入りで紹介した労作。大場秀章・東京大学名誉教授は推薦文で「日本は栽培品種の研究が遅れていたが、本書の登場でようやく世界水準に達した」と褒め称えている。
池田正宏・日本アジサイ協会副会長も「川島先生は、フィールドにたつアジサイ研究の第一人者」であるとし、ヤマアジサイを、鈴鹿を境に「東日本型」「西日本型」そして「韓国型」の3系に分けるなど目と足で確かめた川島流が随所に見られる、と評価。
川島榮生著 アボック社 A5判/624頁